だれにもこれからどうなるかわからないという一歩を踏み出せ!
女の子の方がコミュニケーションが開かれているのはなぜだ?
中学生たちと3日間過ごした。
31にもなるおじさんが中学生たちと会話することなど滅多にないので貴重な機会であった。スタッフとしてもキャストとしても、いろんな中学生たちと接したわけであるが、どうもコミュニケーション能力に男女差があるように感じたのだ。なんというのか男の子は「閉じてて硬く」、女の子は「開いていて柔らかい」というような印象を持った。
中学生たちはキラキラ輝いていた。
青春のただなかにいる人は青春のただなかだということに気づけないものだ。
迷いや後悔、夢や恋で彼らの心は埋まっている。
部活動をしている子たちばかりだった。
毎日健康的な汗をかいていた。
13才特有の汗っぽい匂いと土の香りがした。
富士山をいだく静岡の地で彼らはどんな大人になるのだろう。
今夜は星が出るよ、神さまはクマのプーさんだって知らなかったかい? 草原では、宵の明星の光がだんだん弱まり、残照も散って、まもなく完全な夜が来て大地を祝福し、あらゆる川を黒く染め、山頂を覆いつくし、最後の岸辺を抱き寄せるだろう。だれにも、だれにも、これからどうなるのかはわからない。見捨てられたボロのように年老いていくことしかわからない。
ーージャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』より (青山南・訳)
だれにも、これからどうなるかわからない。
未来は不確定性ゆえに美しい。
こんな話を中学生にしても理解できないかもしれない。
が、君たちは人生でもっとも美しい時期にいるんだよ。彼らの人生に幸多きことを祈る。