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FilmMaker Ishikawa Shingo

「蘇りの恋」「カササギの食卓」「出発の時間」「あさごはん」などの映画監督、石川真吾のブログです。

2016年の年末年始

今週のお題「年末年始の風景」 

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紅白歌合戦ガキの使いザッピングしながら年を越した。福井では長く雨が降り続いていた。行く年来る年で永平寺が映った。兄貴に明けましておめでとうと言った後でほろよい気分のなか外に出た。雨は止んでいた。満天の星が出迎えた。月明かりで応善寺に向かい、鐘つきをした。ボオーンという響きが近所を包んだ。手を合わせてお詣りをした。

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近所の春日神社で初詣。神仏両方やっとく。春日神社は参拝客向けにお神酒とぜんざいをくばってくれる。旨し。

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起床後、初映画。スティーブン・スピルバーグの『未知との遭遇』をBlu-rayで鑑賞する。町山さんの映画評で内容を知った気になっていたがじつは初見であった。SFというよりはミステリーだという印象。スピルバーグの映画はだいたい「なにかに取り憑かれた男」が主人公である。デビュー作『激突』、サメ退治に命をかける『ジョーズ』、宇宙人の侵略から家族を守る『宇宙戦争』、奴隷解放を使命と感じる『リンカーン』。『未知との遭遇』はUFOを目撃してしまったロイが家庭も仕事も顧みずにUFOの謎に取り憑かれてしまう。夢のある物語というよりは一種の狂気を描いている。ポテトを山の形に盛る。家族が止めるのも聞かず部屋いっぱいの山の模型を作ってしまう。ロイとともにUFOを目撃した主婦もついつい山の絵を描いてしまう。テレビでその山のことが報道される。その山とは毒ガスが漏れて立ち入り禁止になっているデビルズ・タワーであった。ロイ以外にもデビルズ・タワーに惹かれてやってきた人間も多数いる。この辺の展開はユング集合的無意識を想起させて非常に興味深い。ゲームの『MOTHER』の元ネタもこれだろうな。最後、ロイはUFOに吸い込まれていく。本当に楽しそうな笑顔を浮かべて。UFOはメリーゴーラウンドのようにキラキラ光りながら宇宙空間へと去っていった……。物語とは「行って帰る」ことである。が、『未知との遭遇』は行ったまま帰ってこない。行ったまま帰ってこない映画はホラー映画と呼ばれる。少年らしい夢を叶える映画ではなく、「未知のもの」との遭遇を通じて決定的に人生が狂った男の悲劇を、幻想的に感動的に描いた映画だった。おっもしろかったなあ。



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