FilmMaker Ishikawa Shingo

「Hairs」「Food 2.0」「スティグマ-STIGMA-」「裸で汁を出すだけの簡単なお仕事です。」「ラジオスターの奇跡」「蘇りの恋」「カササギの食卓」「出発の時間」などの映画監督、石川真吾のブログです。

不安と眠気の 『Food 2.0』 48時間メイキング Part1 仲間集め編

今年で3度目の挑戦となる48時間映画祭。手慣れたもんだぜなどと思っていたら過去いちばんキツかった。これはその苦闘の記録である。 

エントリーするかどうか

昨年は不参加だったが今年はエントリーすることにした。

↓この時はまだウキウキしているアホである。

 

 

昨年(2020)は不参加だった。5月開催予定だったのが12月に延びたせいもあり、夏に『スティグマ』という短編を撮って、創作欲は解消できていたというのもある。そして……なんだかんだ言って新型コロナウイルスが怖かったのである。

なので、究極のコロナウイルス対策は、ひとりで撮ってひとりで編集することだろうと思っていたのだ。

ひとりで全部。やったことは、なくはない。

やってみたい。けど、ひとりって……さびしいよなあ。

48HFPの圧倒的な祝祭感の正体。それは「ノーギャラでもなんでもいいからなんか面白いことをやりたい!」という人々が短期間に集まる熱量である。

ひとりスタイルは、自分がこのまま嫌な感じのジジイになってからでいいや!

 

カメラマン探しの旅

というわけでまずは撮影のハルさん(PHOTOGRAPHER HAL氏)に声をかけた。氏は48時間映画祭に2度、長崎で撮った自主映画で1度、映画を一緒に撮っている。仕事でもさんざんご一緒させてもらっている盟友である。彼がいなければStone Riverは成り立たない。

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しかし個展のためスケジュール合わず!
爆死! しかもその個展、私もモデルとして出てたりするので無理も言えず。

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わたしのガラの悪さがよく出てますな

 

撮影部 江口裕祐 えぐっちゃん!

最近、REDのKOMODO 6Kという最新鋭のデジタルシネマカメラを買った、もう1人の盟友を思い出した。

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えぐっちゃん(江口裕祐)である。出会いは確か2008年くらい。かれはまだ業界入りたて、ペーペーの撮影助手のサードだかフォースだかだった。わたしは当時24歳。今の数億倍バカで生意気だった。えぐっちゃんはバックパッカーをやっていたからか、明るく楽しく、コミュニーションがうまい。とにかく気持ちいい奴なのだ。その後、数えきれないくらい現場を共にした親友である。その後カメラマンとして独立して、会社を立ち上げ、高価な機材をガンガン買って売れっ子になっていった。主にCMやVP。が、わたしとえぐっちゃんは監督とカメラマンという立場では初タッグであった。不安!

そもそも私を48時間映画祭にはじめて誘ったのはえぐっちゃんなのだ。2018年のCNSS加賀賢三組で、編集をやらないかと誘われて、48時間映画祭というものをわたしははじめて知った。加賀賢三くんも親友だし、かれの現場も参加したことがあった。それでも加賀組の編集をやるのは不安だったのだ。ノーギャラだし・・・。結局、加賀組を断って自分で監督してエントリーして、グランプリをかっさらってしまった。加賀くんには悪いことをした。今度かれの映画を手伝うんで帳消しにしてもらおうとも思っているが予算が厳しいんでまた断ろうかな。

 

俳優部

さて、カメラマンは決まった。さて、じゃあ、俳優部をどうしよう。

前2回の48HFPは基本的にこちらから、知っている俳優に声をかけていた。ワークショップで知り合ったり、撮影現場で知り合ったり、友達だったり。言い方は悪いが「ノーギャラで無茶苦茶な撮影に付き合ってくれそうな」人間を選んでいた。

要はチャンスに飢えていて、話がしやすい「いいやつ」を誘っていたのだ。100%自分の金で作る映画に、「いやなやつ」を呼びたくない。いいも悪いもすべて映画の現場はさらけ出してくれる。わたしは役者としてのスキルや知名度より、人間性を見る。ひそかに師匠と仰いでいる阪本順治監督の教えである。

とは言え、ノーギャラである。ノーギャラは48HFPの「ルール」とはいえ、毎回毎回、同じ人間に声をかけるのは忍びない。なので今年はこちらから俳優に声をかけることはしなかった。来てくれた役者はすべてSNSでのキャスト募集や、スタッフ/キャストの紹介である。たったひとり、成海花音さん以外は。

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新人女優・成海花音

成海花音さんとは今年の1月、『GOLDFISH』という映画のオーディションで出会った。探していたのはベテラン映画スターが演じる主人公の高校生の娘役。難役だった。わたしはチーフ助監督という立場で参加しており、オーディションでの演技の相手役もつとめていた。40人くらい会った中で、唯一ピンと来たのが彼女だった。藤沼伸一監督も同じ気持ちだったようだ。あとで知ったがシナリオの港岳彦さんも彼女の写真を見て自分が書いた映画の登場人物がいる!と思ったそうだ。

 

成海花音さんは相手の目をまっすぐ見る。目をそらさない。わたしはそのオーディションで相手役を演じ、そのでっかい瞳に魅了された。しかも、大物やコワモテの人間と交流させても物怖じしない。なんと彼女の母はホラークイーンの佐伯日菜子さん、父は元サッカー日本代表奥大介さんだ。わたしはお二人ともにファンだったので大変びっくりで光栄。撮影現場に佐伯日菜子さんがいらっしゃった時は嬉しかったな〜。

 

そして、成海花音ちゃんはとにかく明るくて性格がよいのだ。

またお仕事したいな〜って思う女優さんだった。

 

 

「またいつか」って、今かもしれない。

 

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だって 

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twitterで「いいね」くれたし

 

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主演女優をDMで口説くの図

 軽〜く「出ます?」とか言ってますねこのインチキ監督は。

この後所属事務所のVivienneにちゃんと依頼し、快諾してもらう。よっしゃ!

 

しかし『GOLDFISH』の看板ヒロインを借りてしまって、ヘタなものは作れないという不安が出てきた。

今年のテーマはDTS。

「出たとこ勝負」さ!

 

そんな気楽なことは言ってられなくなるのが48時間映画祭。 このエントリー続く。

 

 

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Food 2.0

 

ストーリー/行方不明になった父を探す女子高生。ようやくたどり着いた研究所で食べさせられたのは、世界を救うおにぎり。

 

出演/成海花音  横須賀一巧  免出知之 アライジン 柳生はる奈 美南宏樹 SHINYA 児玉アメリア彩

監督/石川真吾 脚本/宮本晴樹・石川真吾  撮影監督/ 江口裕祐  撮影助手/佐藤 遊・船場 幸平  録音/飯島花衣
美術/定塚由里香  編集/石川真吾  音楽/原 夕輝  8分/ホラー  ©2021 STONE RIVER

This film was made for the 48 Hour Film Project.
www.48hourfilm.com

 

48時間映画祭
プレミア上映会日程

6月12日(土)
会場:なかのZERO西館小ホール

上映時間
17:00 開演(16:30 開場)

1,000円/プログラム
石川真吾監督
チーム名【STONE RIVER】
作品名『Food 2.0』

#48時間映画祭
#48HFP
#Food2・0
48hourfilm.com/tokyo/

 



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