不安と眠気の『Food 2.0』48時間メイキングPart9 撮影編①
<撮影用シナリオが上がったのは撮影日の朝8半!>
まったく寝てない状態で迎えた撮影をどう乗り切るか・・・!
5/30(土)
10:00
中野の我が家から撮影スタート。
いきなり、シナリオにない「父親の部屋」シーンを撮る。撮影の江口の提案だったが、彼との仕事で、予定にないカットを撮ることはしょっしゅうだったので気にしない。というか大歓迎。女子高生の娘が、失踪した父親の部屋で、研究所の資料を発見するシーン。編集時はこのカットがあったおかげで助かった。何というか、「いい感じの導入」になったのだ。
10:30
冷凍庫に入れてあるカレーを取り出すシーン。江口の買ったRED社のKOMODOというカメラはとっても小さいので冷凍庫にカメラを入れることができてしまう。
冷凍庫に今はいない人間の作った食べ物が入っているという設定の元ネタは、探偵!ナイトスクープの「亡き母が作った5年前の角煮を食べたい」である。
探偵ナイトスクープ「亡き母が作った5年前の角煮を食べたい」 | がらくたクリップ
これがまあ泣けるんだ・・・。
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伊丹十三の『タンポポ』にも「最後のチャーハン」という大泣きのエピソードがある。
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他には、アンガールズ田中の母のお弁当のエピソードがとにかく涙を誘う。
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ことほどさように「親」と「食事」というのは強い感情となって記憶に残る。ホラーはその感情を「反転」するだけで悪夢にすることができる。たちが悪いね・・・。
「カレー」なのも理由がある。オマージュだ。「亜無亜危異」藤沼伸一監督の『Goldfish』の主人公の娘役を成海花音ちゃんが演じていて、私は助監督だった。その主人公がいつも食べているのがカレーだったので、自然とその設定のオマージュになった。
ホラーなので反転させているけどね・・・
11:00
家のリビングでのラストシーンを撮る。
現場でちょっと難航したのが青い涙。美術の定塚さんが青の顔料でスポイト垂らしてやってくれたが、本来俳優の肌に触れる処理はメイク部の役割だ。メイク部ってやっぱり必要ですね。
12:30
家のシーンを撮り終わったので、現場移動。小石川の病院スタジオに移動する。朝9時に電話して、空いてたんで貸してくれた。別の撮影で使ったことがあるスタジオで、スタジオの配置図も頭に入っている。このスタジオを想定してシナリオを書いた。録音の飯島ちゃんと、成海ちゃんの3人でタクシーに乗ってスタジオへ向かう。車内で、撮影順を考える。効率よくやらないと、終わらない。不安だ……。
続く。
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FOOD20 by STONERIVER - TokyoJP-48HFP-2021 on Vimeo
ストーリー/行方不明になった父を探す女子高生。ようやくたどり着いた研究所で食べさせられたのは、世界を救うおにぎり。
出演/成海花音 横須賀一巧 免出知之 アライジン 柳生はる奈 美南宏樹 SHINYA 児玉アメリア彩
監督/石川真吾 脚本/宮本晴樹・石川真吾 撮影監督/ 江口裕祐 撮影助手/佐藤 遊・船場 幸平 録音/飯島花衣
美術/定塚由里香 編集/石川真吾 音楽/原 夕輝 8分/ホラー ©2021 STONE RIVER
This film was made for the 48 Hour Film Project.
www.48hourfilm.com
チーム名【STONE RIVER】
作品名『Food 2.0』
#48時間映画祭
#48HFP
#Food2・0
48hourfilm.com/tokyo/