純愛くそくらえ

「イシカワくん　きみねえ。どうしてこんな破局で終わる、ドロッドロの恋愛ばかり描くのかね。」
「どうしてと言われましても‥‥恋愛とはそういうものだからです。ゲームじゃないんですから。」
「これはゲームだよ！」
「ああそうでした。が‥‥それが何か？」
「何かじゃあないよ何かじゃあ！ユーザーに楽しんでもらうゲーム作りが我々の仕事だよきみ！恋愛のこういう嫌な面、ドロドロした面ばかり好き好んで描くゲームが売れると思うのかね！？」
「ラブプラスですか」
「そう！あれは最高だよきみ。あれを目指したまえ。ぼくは早くきみみたいな偏屈野郎から解放されて彼女と戯れたいんだ！」
「は。なるほど‥‥キモ」
「キ・モ・イ？そう言ったかねきみ？いいや言ったね。クライアントであるぼくに向かって。聞き捨てならないよこの豚ライターが！ぼくだってにやにやしながらDSにささやく自分がキモいと思うよ。だがな！それが気持ちいいんだよ！現実を忘れて逃避したいのだよ！否！ゲームの中こそ現実だ！」
「ははあ。失礼しました。よほどいやな嫁さんをお持ちなんですね。はははは」
「はははははは‥‥きみにもうひとつ仕事を命じる」
「は、何でしょう」
「この会議室を飛び出してヨドバシカメラに向かい、DSとラブプラスを買いたまえ」
「領収書切れます？」
「いくらでも切ってやるよ！貴様がド貧乏なくらいその貧相なファッション見ればわかるんだよ！ラブプラスをひととおりプレイするまで、そのくそシナリオ１字も直すんじゃあないぞ！」