FilmMaker Ishikawa Shingo

「蘇りの恋」「カササギの食卓」「出発の時間」「あさごはん」などの映画監督、石川真吾のブログです。

一つのヴァイオリンで用が足りるなら、二つは使用しないこと

9月9日。
ビートルズのニューリマスター版が全世界で解禁されるその日、アップルの発表会があった。各メディアで予想されてたビートルズiTMS入りも、カメラ付きiPod Touchの発表もなく、期待外れのイベントだったという評価も多かった。

だがこんな記事が出てきた。Apple製品の分解・解析で知られるiFixit社が、新iPod touch 32GBの基盤にカメラ用のスペースを発見したとの記事である。
http://ipodtouchlab.com/2009/09/ipod-touch-32gb-camera.html

事前予想通り、アップルは本当にtouchにカメラを搭載しようとしていたのであろう。だがそうはしなかった。touchをどう売るか真剣に考えた結果、価格を抑えてゲーム機として売るという戦略に出たのだ。カメラを付けて通話機能のないiphoneとして売るよりも、199ドルに価格を抑えて(これはDSやPSPと競合する価格帯だ)、ゲーム機として売り出したほうが、App Storeの普及にも一役買う、という判断だ。

このマイナスの発想はすごい。なかなかできるもんじゃない。カメラ付けたらよくね?売れるっしょ?なんて楽天的な発想じゃない(DSiとか。値段上がんのかよ!ってみんな思ったでしょ?)。iPodのラインナップ全体を俯瞰してよくよく練り込まれた判断だ。実際、今回のiPodのライナップは最強すぎる。値段と性能のバランス配分が実に見事。touchは安いアプリたくさんのゲーム機。iPod Nanoは主力だからカメラにラジオに万歩計と全部入り。安くて小さいshuffle。アップルってこういうマイナスを平気でできちゃうから尊敬するんだよなあ。

創造とはプラスではなく、マイナスである。
ロベール・ブレッソン

だからといっておれは新touch買わないけどね。カメラ付けてくれたら買います。あはは。