FilmMaker Ishikawa Shingo

「Hairs」「Food 2.0」「スティグマ-STIGMA-」「裸で汁を出すだけの簡単なお仕事です。」「ラジオスターの奇跡」「蘇りの恋」「カササギの食卓」「出発の時間」などの映画監督、石川真吾のブログです。

要するに福島というのは奇跡である

『ハルをさがして』おのまち上映会


満員御礼。194人入る会場に、なんと260人ものお客様にご来場いただきました。映画の上映は、大ウケ。こちらが想定もしていないところで笑いを取れたり、ロケ地に故郷が映るだけで拍手が起きたりと、じつにあたたかい上映会でした。上映後のアンケートでとっても感動したご意見があったので転載する。

震災で引っ越してしまった友達のことを
いまだに「◯◯くん、どこにいっちゃったのかなあ」と心配する息子がいます。
なんだか涙がとまりませんでした。

ーー女性・38歳 言語聴覚士

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梅沢和木『彼方クロニクル此岸』於「市街劇 怒りの日」展@いわき 菩提院


カオス*ラウンジの梅沢和木くんの新作は襖にプリントされた特大のコラージュ作品である。彼はムサビの僕の後輩である。梅沢くん、通称「梅ラボ」は在学中からゲームやアニメなどのサブカルチャーをコラージュした特異な作品を作り続けていた。近年は東浩紀編集の『福島第一原発観光地化計画』や雑誌『ゲンロン』などの表紙をずっと手がけていて、注目株のアーティストである。今回の展示は、福島のいわきをモチーフに、特大の襖にプリントされた作品である。オタクと宗教と震災の混沌を写し取るアートだった。お寺での展示というのもまたいい。菩提院には巨大な墓場があった。死が濃密な場所でこそ輝くアートというものがある。そもそもアートというのは祈りである。地下で宗教と芸術はつながっているのである(©近藤光博)。

福島は福の島である

福島県小野町のおじさま方の、原発問題に対する複雑な気持ちを生で聞けてとてもよかった。そして福島の日本酒は涙が出るくらい美味い!小名浜も面白い街だった。撮影でお世話になったスナックチャオでも酔っ払った。二瓶さんの言葉に感銘を受けた。

「復興予算で潤沢な資金が来るのはありがたいが、俺たちは福島で地に足をつけて生きていきたい。ある意味、原発事故のおかげで福島県民はひとつになった。県民意識という絆を持たざるを得なくなった。これは不幸なことなのか幸福なことなのかは分からないが、前を向いていかないといけない」

要するに福島というのは奇跡なのだと思った。アートは奇跡である。

福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2

福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2